「マイコンピュータ」が「マイコンピューター」になる日
コンピューターは「コンピュータ」と書き、サーバーは「サーバ」、ルーターは「ルータ」と書く。それがプログラマだけでなく、ITに関わる我々のルールだったはずです。
そもそもどうして、この「音引き」が付かないことになっているかについては諸説ありますが、
- 昔のプログラムコードで-(マイナス)が混入すると面倒だったため(うろ覚え)
- バイト数を少しでも削減するため
といったような理由だったように思います。が、1テラのハードディスクがそこらで1万円台で買え、通信速度も100mbpsで当たり前になっている昨今、そんな2バイト程度のことをちまちま気にしなくてもいいということなのか、マイクロソフト日本法人が音引き記号を付ける方針に改めるそうです。
そこに飛び込んできたのが、マイクロソフト社の「『コンピューター』に変更します!」宣言。同社が提供する製品やサービスにおける外来語カタカナ用語の末尾音引きは、これまでJIS記述ルールや学術用語に準拠していたが、今後は内閣告示第二号に基づくルールに変えるというのだ。
内閣告示第二号とは1991年に国語審議会の報告をもとに告示された外来語表記ルール。そこには「語末の『er』『or』『ar』に当たるものは、原則として長音符号を用いて書き表す」とある。
「変更は8月末公開の『Internet Explorer 8』ベータ2日本語版から。パソコンが日常品となり、表記の不統一がもたらす混乱などを解消するために踏み切りました」(マイクロソフト最高技術責任者・加治佐俊氏)
([雑学] IT用語とかJIS規格etc.音引きの秘密に迫った | RxR | R25.jp)
こ、これは大事件じゃないですか。具体的にどんな用語が変わるのかというと…。
下記は今回のルール変更により、表記が変更される用語の一部。
変更前 英語表記 変更後 フォルダ Folder フォルダー ブラウザ Browser ブラウザー エディタ Editor エディター プリンタ Printer プリンター スキャナ Scanner スキャナー ドライバ Driver ドライバー サーバ Server サーバー インストーラ Installer インストーラー バッファ Buffer バッファー ここで挙げた例はほんの一部であり、英語表記の終わりが“er”“or”“ar”の単語はほぼ上記と同じように音引きがつけられる。ただし、“アクセラレータ”“スケジューラ”“プログラマ”など一部の用語に関しては慣例に基づき変更はされない。そのほか、もともと音引きがつけられていたカレンダーやトレーナーといった用語に関してはこれまでと変わらず音引きつきで表記される。
(窓の杜 – 【NEWS】マイクロソフト、カタカナ用語末尾の音引きルールを変更)広告
ちなみに、「ー」有無の由来については、
「工学系の学術用語では、3音以上のカタカナ用語の末尾の音引きを省略するのが原則。これは戦前に全日本科学技術団体連合会という団体が決めたもので、その元には英語発音への誤解がありますが、工学系学術用語やJIS用語の多くはこのルールをそのまま踏襲しているんです。当時は物資難で活字も不足しており、『ー』1字でも減るとありがたいという時代背景もあったようですね」(早稲田大学メディア文化研究所・森 治郎教授)
([雑学] IT用語とかJIS規格etc.音引きの秘密に迫った | RxR | R25.jp)
とのことです。あー、なるほど、そういうことか。確かに明治~昭和初期に書かれた文学作品では、しばしば外来語が「ー」なしで表記されています。
あと、京都にある老舗喫茶店で、創業1940年のイノダコーヒというお店がありますね。
まあそんなわけで、当ブログーでも以降は、内閣告示とマイクロソフトーに習い、「ー」アリで表記しますので、ひとつよろしくお願いいたしますー。