カズの言葉 1
日本がW杯で負けたのは、カズがいなかったからだと思っています。割と本気で。
僕は最初、Jリーク発足当時には三浦知良のことは特になんとも思わず、どちらかと言えばあまり好きではありませんでした。しかしそれは単なる「アンチ読売」のような、斜に構えた理不尽な態度だったように思います。
しかしその後色々なエピソードに触れ、発言を聞くに及んで、考えを全く改めました。三浦知良は真に尊敬できる人間でした。彼こそまさに王道の中の王道を行く、プロ中のプロ、真実の男であると確信しました。(そもそも、「18歳のときに、全財産をはたいてブラジル行きの片道切符を買い、単身ブラジルに渡ったした」というエピソードからしてすごい。 )
そこで今日から何回かに分けて、僕が感銘を受けたカズの、いや、キングのエピソードを紹介していきます。
読んだ皆さんの心にも、何かが残ればうれしく思います。
あるときJリーグが、ブラジルのサッカー選手を夢見る孤児たちを育てる団体にボールを寄付することになった。
エージェントが現地へ赴き、少年たちにボールを渡す。
少年たちはとても喜んだが、渡されたスポルディングのボールを見て
「スポルディングではなくて、メーカーは『カズ』が良かった。」
「『カズ』のボールはとても使いやすかった」
と口々に言う。Jリーグのエージェントは首をひねった。
…カズ?そんなメーカーがあっただろうか。
「これだ」と、手渡されたボロボロのボールを見てエージェントは驚いた。
すでにかすれてしまっているものの、ボールにははっきりとサインペンで「夢をあきらめるな カズ」
と、現地の言葉で記した跡があった。
数年前に、カズもこの団体に200個ものサッカーボールを送っていた。
さらにカズは、そのボール全てに自筆のメッセージとサインを入れ、それを子供たちは「カズ」というメーカーのボールであると思い込んでいたのだ。
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