トリンプ社長ブログ炎上

ブログブームと企業ブームとITブームとに後押しされて、多くの会社で社長がブログを公開しています。すでに『社長ブログ』というのが、ブログの1ジャンルとして確立した感さえあります。

クライアントやユーザーに対して、社長が直接メッセージを発信することによって「顔の見える経営」を実現すると同時に、社員からも「社長の考え方が分かった」「意外な一面を見た」と好評なのが、ブームの要因でしょうか。

しかし、やはりそこは社長であるわけですから、一介の個人が匿名で日記を書くのとはワケが違います。社会的責任を背負っているわけです。そこでたまに不適切な投稿をしてネット上で吊るし上げを食らってしまう社長ブログもあるわけですが、今回は下着メーカートリンプの社長です。

吉越浩一郎の革命社長日記:「渡辺淳一さんも好きなんです」
おお、吹きすさぶ批判コメントの嵐……!

一体何がいかんかったのか。消えないうちに引用しておきます。

広告

日経新聞に連載されている渡辺淳一さんの「愛の流刑地」も欠かさず読んでいて、実はけっこう楽しみにしていたりするんですよ。「愛ルケ」流行ってますね。
ちょっと僕のイメージと違いますか?
(中略)
(渡辺淳一さんとの)お話の中で最近の下着はいやらしいのでよくない。だから“冬香は白いスリップ”というお話をお聞きしたので、弊社の可憐な感じのする、しかもセクシーな商品をいくつかお送りしたところ、いろいろ参考になりましたというお礼状と一緒に『風のように女がわからない』という著書を頂きました。

うーん。渡辺淳一と言えば、かつて不倫エロ小説『失楽園』で一斉を風靡した好色作家の先生ですが、最近また日経で『愛の流刑地』なるポルノ小説を連載しています。
その内容は

反社会的、女性蔑視、不倫推奨、避妊もしない、育児放棄、エログロ、愛欲オンリー、でストーリも破綻しています。さらに現実に事件すら起きている首絞めプレイを臆面もなく登場させている問題小説(コメント欄より)

と酷評されています。僕は実際に読んだことはないのですが。

女性向け下着メーカーの社長でありながら、そんな「女性蔑視の」エロ小説を楽しみに読み、作者と「男尊女卑の」性的な視線で下着談義を交わしている、ということで批判されているようです。作品自体への批判が多数含まれていることも、余計に燃え上がる一因となっているのかもしれません。

コメント欄ではトリンプ製品の不買運動を募る声まであがっていて、ひょっとするとこれはコミケのホットドッグ会社(先日参照)のように、謝罪問題にまで話がふくらんでしまうかもしれません。

吉越社長は、事件と同日にもうひとつのブログを開設されて、そちらでも謝罪されています。
いろいろコメントを頂きありがとうございました
「反省を活かして参ります」

ところがこの謝罪もちょっとポイントがズレていたというべきか、こちらでも同じく相次ぐ批判、攻撃、野次馬でごった返してしまっています。どうも着地点の見えない騒動になってしまいました。本を沢山読むのはいいことだと思うのですが。

実はもともと「革命社長日記」を8月末で終わりにして、ココログに移行するつもりだったとのこと。最後になんともトホホなオチがついてしまったのでした。
「コメント欄で革命が起こってしまいました!」ということでどうでしょうか。

About: dacelo


2 thoughts on “トリンプ社長ブログ炎上”

  1. 「愛の流刑地」は毒蜘や毒蛇のようなもので、本能的に憎悪感を抱く人もいれば、蜘や蛇が好きな人もいる。吉越社長は蜘蛇が好きな部類で、嫌いな人の存在を理解できなかったのだろう。毒の部分に注目すれば俗悪有害小説に分類してもよいだろう。

  2. Pingback: dacelo

Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *